ktonnの斜塔

歌や映画の感想など、想うことを綴ってます

パラサイト

今週のお題「告白します」

久々のブログになってしまったのは、実は、ずっとパラサイト ‐半地下の家族-でつまずいていたからだと、告白します。

われらが金曜ロードショーで1月頭に放送されたのを観てみて以来、自分なりの考察を考えていた。

いくつかの考察サイトも覗き見してみた。

でも、なんかよく分からない。

 

韓国のシビアな格差社会で、貧困層の主人公達が、富裕層の家族に巧妙にパラサイトしていった結果、大惨事を引き起こす。(どんでん返しが面白いので、詳細は割愛。)

伏線も多く、緻密に作られた面白い映画だった。

 

クライマックスの直前に、主人公は富裕層の恋人に、「僕、馴染めてる?」と聞く。

恋人は、何を聞くんだろうというような顔をして、「うん。」と答える。

貧困男性のモンゴメリー・クリフトが、富裕層の令嬢エリザベス・テイラーに恋したことで殺人を犯してしまう映画、「陽のあたる場所」を彷彿とさせるシーンだった。

頑張って富裕層に仲間入りしても、主人公はいつも劣等感や焦燥感に苛まれている。

富裕層はそんな事全く気にしない。

 

最後に主人公は、再起を誓い、映画は終わる。

でも、シビアな格差社会で、再起なんてまず無理なのだ。

そんなやるせなさを、希望に満ちた手紙と供に突き付けてくるエンディングに、なんとも言えないもやもや感が残る、そんな映画だった。

 

 

 

 

日々感謝

今週のお題「感謝したいこと、ありがたやありがたや」。

このお題を見たとき、思いついたのはなぜか
持てる者、持たざる者。

才能、お金、容姿、愛
どれも、あれば良いってわけじゃない。


数多くの子どもをスターにしてきたあるプロデューサーは、不幸な生い立ちの子の方が売れると言ってたらしい。
不幸な生い立ちが幸せをもたらすことも。
逆に、才能やお金があるが故に不幸になることも。


ある精神科医
幸せはみんな同じ
不幸は人それぞれ

だから、不幸な人を救うのは難しい。」
と言ったらしい。


必要なものがないのは辛いけど、必要じゃないものがある方がもっと辛いのかもしれない。

無いものを数えながら生きていくより、有るものを数えて生きていく。

何はともあれ、ほどほどが一番で、そんな日々にありがたやありがたやと感謝しながら生きていければ、その人は幸せなのかなとか思ったり。

そして、父になる ~親子の愛~

是枝監督の作品は、主演の柳楽優弥君がカンヌの主演男優賞を獲ったことで話題になった「誰も知らない」以来。

ストーリーは、子どもの取り違いが出産から6年後に発覚した、2つの家族の物語。

福山雅治さんが演じるバリキャリのと、そんな父のプレッシャーに気後れしてしまっている母と子ケイタ

一方、父の本当の息子(琉生)は小さな電気店を営む夫婦の元で育てられていた。

2組の両親は、一旦実子を育てる選択をするが、親も子どもたちも、そう簡単に新しい環境に馴染めない。

そんな中、琉生は家出をし、電気店に帰ってしまう。

琉生を連れ戻したはいいが、自分達の選択は正しかったのか、父自身も自分の中に生じた葛藤を打ち消す事ができないでいる。

そして、父が何気なく見たカメラに、ケイタが撮った自分の寝姿を発見した時に、父は涙し、結局ケイタを迎えに電器店を訪れる。

 

何はともあれ、私はケイタ君がたまらなかった。
父が望むような、利発な子ではなかったけれど、母と同じように父に憧れ、愛を求めていた心優しいケイタ。
カメラに納められていたのは、そんなケイタからのラブレターだったのだと思う。
このラブレターをきっかけに、父もまた、ケイタへの愛に気付く。
子どもとは、どんな親でも、愛し愛されることを求める存在なのだろう。


感情表現が豊かな琉生とは違う方法で、ケイタもまた、環境の変化に戸惑い、苦しんでいる。
父が家出した琉生を迎えに来たとき、ケイタは自分を迎えに来てくれたと思うが、名前も呼ばずに父は帰ってしまう。
最後にケイタを迎えに来たとき、ケイタは諦めと淡い期待と同時に、もう傷付けて欲しくないと思ったのではないだろうか。
そして、父が自分の名前を呼んだとき、嬉しさとまた傷付く不安で家を飛び出してしまったのだろう。
父が、長い道をケイタを追いかけ歩くシーンは、まるで怒った恋人を追いかけるシーンのようだ。


「パパなんて、パパじゃない。」
自分がいかに悩み、傷ついたか。
優しいケイタの、精一杯の反抗だったのだろう。
ケイタの一言は、子をもうけたから、皆が親になるのではないと改めて気付かせる。
様々な問題に直面し、それぞれがもがき苦しみ、親が子の愛に気付き、子を愛することを知った時、人は初めて親になるのかもしれない。

 

ピザからの海南鶏飯

今週のお題「ピザ」
ピザピザピザ。
先週のお題、鍋の方が書きやすかったなと後悔。
ピザはもちろん、好き。
食べやすい日本のデリバリーのピザ、イタリアンレストランで食べるトマトが香るピザ、ニューヨークスタイルのチーズがこぼれそうなピザ。

ピザの思い出と言えば、ニューヨークに行った時に、知人が「ニューヨークで一番美味しいピザだよ」と連れていってくれたイタリアンのお店。行列ができていて、雪がちらつく真冬に30分ほど外で待機し、ようやく店内へ。
で、食べた感想。
申し訳ないが、そーでもない。
後日食べた、1枚3ドルくらいのテイクアウトのどでかいニューヨークスタイルのチーズピザ(1975年創業のJoe's Pizzaだったかな)の方が、よっぽどしっくりきた。
郷に入っては郷に従え。
その土地のものが、やっぱり一番美味しいんだなと。

土地のもので美味しかったといえば、シンガポールで食べた海南鶏飯のお店(津々海南鶏?)。
泊まっていたホテルから近く、ガイドブックにも載っていたので行ってみたいと思っていたけど、
オープン時間が間違っていたため、何回行っても閉まっていて、外観もかなり年季が入っていたため、潰れたのかと思っていたら、
帰る日の前日にたまたま通りかかったら空いていて、期待せずに入店。
オープンしたばかりだったからかお客さんもほとんどいなく、中華料理店にありがちな親族による宴会状態で
間違ったかなと思ったけど、ウェルカムオーラだったので、出ていくわけにもいかず、
まあ食べてみようと一番スタンダードなものを注文。
ちゃんと火通ってるよねと恐る恐る食べてみたら、これが絶品。
付け合わせのスープもライスも、ほどよく鶏やらショウガやらがしみ込んでいて、
むさぼるようにかきこみ即完食
もう1個でも2個でも入りそうだったが、なんとなく恥ずかしくて、大満足のまま次の観光地へ向かったのを覚えている。
次の日は午前中で帰国だったので、再訪できなかったのがほんとに残念だった思い出の味。

シンガポールに気軽に行ける日がきたら、ぜひ一度ご堪能あれ

バチェロレッテ② ~i will always love you~

バチェロレッテがらみの配信がyoutube等でまだまだ続いてますね。
なので、バチェロレッテ第2弾。
やっぱり杉ちゃんです 笑。


もちろん、黄さんもローズも、すっごく良い男なんですけど。
やっぱり私は、杉ちゃんの人間界を解脱したような、仙人感が好きです♪

杉ちゃんから見た黄さんの考察で、黄さんの臆病さが色気と言っていた杉ちゃん。
さすがです。
誰かが「色気とは自信だ」と言っていたのを聞いて、そうなんだあと大納得していた私。
まだまだやね。。
まあ、色気の種類の違い
なのかもしれないけど。


そして、杉ちゃんと萌子さんの物語にテーマ曲をつけるとしたら、
やっぱりホイットニー・ヒューストン
「i will always love you」じゃないかと。

" If I should stay, I would only be in your way.
(もし僕が残ったら、あなたの邪魔になってしまう。)
So I will go, but I know.
(だから、僕は君の元を去る。でも僕は分かってる。)
I will think of you every step of the way.
(いつでも君のことを想っていくと。)
And I will always love you."
(そして、君のことを愛し続けると。)

杉ちゃんが言うように、萌子さんは杉ちゃんの唯一無二の理解者で、
杉ちゃんにとって萌子さんは生きてく上で、必要な存在。
でも、萌子さんは違うなにかを求めていて。
それを、杉ちゃんはあげられない。
だから、杉ちゃんは去る。
萌子さんの幸せを祈りながら。
でも、杉ちゃんは、きっと一生萌子さんを愛することはやめない。

まさに、この曲の歌詞とぴったりすぎて。

この曲は、元々1973年にドリー・パートンというカントリシンガーがヒットさせた曲で、
1991年にホイットニーが主演した映画「ボディガード」の主題歌としてカバーされ、スマッシュヒットを記録した曲。

映画の中では、ホイットニー扮する歌姫は、自分がボディガードと付き合う事で、彼の仕事の邪魔をしたくないと言って、
両想いだけど、結局、別離を選びます。
杉ちゃんは結局選ばれなかったわけなので、両想いだったこの映画とは状況が違いますが、
でも、相手の幸せを、自分の幸せより想う気持ちはこの映画の主人公と同じかなと。

愛の曲が星の数ほどあるように、愛にはいろんなカタチがあるんだなと、改めて痛感。


ボディガードという映画自体は、ボディガード役のケビン・コスナー
ナルシスティックにキメまくっていて、
「なんでホイットニーはこいつが好きなんだろう…」
と疑問に思ってしまい、映画自体にどっぷりハマることはできないですが、
何はともあれ、最盛期のホイットニーの歌声を存分に堪能できるし、
最後の主題歌の「アンダ~~~」で、鼻につくケビン・コスナーの演技も吹っ飛ぶので、
一度は観てみる価値ありだと思います☆

ノッティングヒルの恋人 ~名画の裏には名曲あり~

今週のお題が最近見た映画との事で、リアルに一昨日観た、ノッティングヒルの恋人について。
観たというより、見返したが近いかもしれない。
既に何回も見てる映画だが、物凄い感動するわけでもないのに数年に一回観たくなる、不思議な映画だ。

あらすじは、大スターのアナ(ジュリア・ロバーツ)が、冴えない本屋のオーナーのウィリアム(ヒュー・グラント)と、なんやかんやの末、めでたくゴールインというイギリスを舞台にしたラブコメディ。
脇役が、良い感じなイギリス人俳優達で、イギリス的なユーモアもたっぷりの、観終わった後にほんわか心が温かくなる上質な映画だと思う。


ただ久々に見返すと、主人公のアナは、平気で二股かけたり、ちょっとした行き違いでウィリアムをポイ捨てしたりと、オイオイと突っ込みたくなる場面も多い。

でも、そんな突っ込みを吹き飛ばすのが、やはり、エルビス・コステロのテーマ曲「SHE」ではないだろうか。
彼女が僕の生きる理由なんだ
と、男の人が、恋に恋する相手を歌った名曲。

どんなに酷い扱いをされても、恋しちゃったら負け。
そんなん、ありなん?
なんて道理は、通じません。

でも、どんな女性でも、1度はそんな風に恋い焦がれられたいと思うもの。
そんな幻想を満たしてくれるのが、この映画の素敵なところなのかもしれない。


ちなみに、名曲を渋く切なく歌い上げているエルビス・コステロは、ジャズの名手ダイアナ・クラールと結婚して、双子をもうけている。
その双子もきっと、ゾクゾクする歌い手になるんだろうなぁなんて、妄想してしまう今日この頃でした。

バチェロレッテ ~杉ちゃんの愛の劇場~

放送が開始されたときは、男たちが名誉欲から女を取り合う茶番劇が目に浮かび、到底見る気になれなかった。
が、最終話が話題にのぼっていると聞き、チロっと見てみたら
とにかくハマってしまった。
何にそんなにハマったのか。
それは、バチェロレッテが真の紳士達の、愛と葛藤の物語だったから。


その中でも、特にシビれたのは、やっぱり杉ちゃんだった。
恐らく人間関係で苦労してきたからであろう、良い意味で策略家の杉ちゃん
番組が彼を成長させた訳では決してなく、元々杉ちゃんは冷静で賢い男性だ。
私含め視聴者が、杉ちゃんに踊らされていただけ。
もちろん、萌子さんへの愛に、そして、萌子さんからの愛に感化され、
杉ちゃん自信が驚くような男気を見せていったのは間違いないが。

その真骨頂が、やはりアフターファイナルローズの、告白だろう。
最初に見た時は、「杉ちゃん、萌子さんの事そんなに好きだったんだぁ」
という感想に留まっただけだったが、
なんとなくの違和感があり、何回か見ていくうちに、
司会者がしゃべる裏での2人の会話が目についた。
萌子さん「杉ちゃん、大丈夫?」
杉ちゃん「分かってたよ、大丈夫。
うん?
分かってた??
じゃ、なんで告白したん?
意外な言葉に、萌子さんもきょとんとしてるように見えた。

ここからはあくまで推察だが、
これまでの萌子さんの、一見非情とも見える決断から、
一度決めたことは何があっても覆さない(覆せない)萌子さんの性格を、
杉ちゃんは理解した上で、敢えてもう一度、自分が視聴者の目の前でフラれる事で、
萌子さんの決意の固さ・真剣さを訴え、
萌子さんが受けるであろうバッシングから、身を呈して守ろうとしたのではないか。

実際もし、あの杉ちゃんのラストの告白がなければ、
いくら萌子さんが真剣に考えた結果だと言っても、
私たちはなんとなくの絵空事を見せられたような気持ちが拭えなかったと思う。
そして、こんなにバチェロレッテが良い話題として注目を浴びる事もなかっただろう。

仮に、萌子さんが告白を受け入れてくれればラッキーだし、
断られても、黄さんが言うように、男としての株は上げられる。
あの告白は、どっちに転んでも、誰にとってもWin-Winな名案なのだ。
どこまでも、視聴者を手のひらで転がす杉ちゃん、あっぱれ。
まぁ、杉ちゃんが、ホントにそこまで考えていたかは、杉ちゃんにしか分からない。
ただあの、「分かってたよ。」を見つけたとき、私はシビれた。


相手をただただ手に入れたいと思うのは恋で、自分が傷ついても相手を守りたいと思う、それが愛だと思う。
黄さんは萌子さんに恋をして、杉ちゃんは萌子さんを愛していたのだろう。
そして、萌子さんはその愛を感じ、自分の心が揺れ動くのを感じていたから、
杉ちゃんと接する時に、幾度となく泣いてしまったのではないだろうか。


では、萌子さんのリミッターはなんだったのだろうか?それは、最後まで私には分からなかった。
ただ、杉ちゃんとキスができないとか、そんなレベルの事ではないのではないかとも思う。
もしかしたら、萌子さんの中に、結婚相手はこういう人でなければいけないという思い込みがあり、
自分で自分に暗示をかけてしまっているのかもしれない。
でも思う。萌子さんの条件を満たし、かつ杉ちゃんのように愛してくれる人は、恐らく現れないのではないか。

また、萌子さんの中に、「今は杉ちゃんは愛してくれてるけど、元カレみたいに、それがなくなったらどうするの?」という不安もあったと思う。ただ、恐らく元カレは、萌子さんに恋していただけで、愛ではなかったのではないだろうか。
恋は気付くが冷める、愛は気付きにくいが冷めない。
もっと言えば、愛は人を傷つけない。

最後に、これだけは断言できる。
もし万が一、杉ちゃんが萌子さんに冷めたとしよう。
だとしても、杉ちゃん程の男の人であれば、きっと萌子さんを傷つけず、緩やかに関係を終わらせてくれると。
元カレよりも萌子さんよりも、杉ちゃんの方が幾ばくか上手。
結婚相手は、どちらかが上手じゃないと、上手くいかないと思う。
だから萌子さん、自分自身の呪縛を解いて、杉ちゃんの腕の中に飛び込んでみて。
そうじゃないと、この放送を機にできた、全国の杉ちゃんファンの女の子に、杉ちゃんをとられちゃうよ。