ktonnの斜塔

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バチェロレッテ ~杉ちゃんの愛の劇場~

放送が開始されたときは、男たちが名誉欲から女を取り合う茶番劇が目に浮かび、到底見る気になれなかった。
が、最終話が話題にのぼっていると聞き、チロっと見てみたら
とにかくハマってしまった。
何にそんなにハマったのか。
それは、バチェロレッテが真の紳士達の、愛と葛藤の物語だったから。


その中でも、特にシビれたのは、やっぱり杉ちゃんだった。
恐らく人間関係で苦労してきたからであろう、良い意味で策略家の杉ちゃん
番組が彼を成長させた訳では決してなく、元々杉ちゃんは冷静で賢い男性だ。
私含め視聴者が、杉ちゃんに踊らされていただけ。
もちろん、萌子さんへの愛に、そして、萌子さんからの愛に感化され、
杉ちゃん自信が驚くような男気を見せていったのは間違いないが。

その真骨頂が、やはりアフターファイナルローズの、告白だろう。
最初に見た時は、「杉ちゃん、萌子さんの事そんなに好きだったんだぁ」
という感想に留まっただけだったが、
なんとなくの違和感があり、何回か見ていくうちに、
司会者がしゃべる裏での2人の会話が目についた。
萌子さん「杉ちゃん、大丈夫?」
杉ちゃん「分かってたよ、大丈夫。
うん?
分かってた??
じゃ、なんで告白したん?
意外な言葉に、萌子さんもきょとんとしてるように見えた。

ここからはあくまで推察だが、
これまでの萌子さんの、一見非情とも見える決断から、
一度決めたことは何があっても覆さない(覆せない)萌子さんの性格を、
杉ちゃんは理解した上で、敢えてもう一度、自分が視聴者の目の前でフラれる事で、
萌子さんの決意の固さ・真剣さを訴え、
萌子さんが受けるであろうバッシングから、身を呈して守ろうとしたのではないか。

実際もし、あの杉ちゃんのラストの告白がなければ、
いくら萌子さんが真剣に考えた結果だと言っても、
私たちはなんとなくの絵空事を見せられたような気持ちが拭えなかったと思う。
そして、こんなにバチェロレッテが良い話題として注目を浴びる事もなかっただろう。

仮に、萌子さんが告白を受け入れてくれればラッキーだし、
断られても、黄さんが言うように、男としての株は上げられる。
あの告白は、どっちに転んでも、誰にとってもWin-Winな名案なのだ。
どこまでも、視聴者を手のひらで転がす杉ちゃん、あっぱれ。
まぁ、杉ちゃんが、ホントにそこまで考えていたかは、杉ちゃんにしか分からない。
ただあの、「分かってたよ。」を見つけたとき、私はシビれた。


相手をただただ手に入れたいと思うのは恋で、自分が傷ついても相手を守りたいと思う、それが愛だと思う。
黄さんは萌子さんに恋をして、杉ちゃんは萌子さんを愛していたのだろう。
そして、萌子さんはその愛を感じ、自分の心が揺れ動くのを感じていたから、
杉ちゃんと接する時に、幾度となく泣いてしまったのではないだろうか。


では、萌子さんのリミッターはなんだったのだろうか?それは、最後まで私には分からなかった。
ただ、杉ちゃんとキスができないとか、そんなレベルの事ではないのではないかとも思う。
もしかしたら、萌子さんの中に、結婚相手はこういう人でなければいけないという思い込みがあり、
自分で自分に暗示をかけてしまっているのかもしれない。
でも思う。萌子さんの条件を満たし、かつ杉ちゃんのように愛してくれる人は、恐らく現れないのではないか。

また、萌子さんの中に、「今は杉ちゃんは愛してくれてるけど、元カレみたいに、それがなくなったらどうするの?」という不安もあったと思う。ただ、恐らく元カレは、萌子さんに恋していただけで、愛ではなかったのではないだろうか。
恋は気付くが冷める、愛は気付きにくいが冷めない。
もっと言えば、愛は人を傷つけない。

最後に、これだけは断言できる。
もし万が一、杉ちゃんが萌子さんに冷めたとしよう。
だとしても、杉ちゃん程の男の人であれば、きっと萌子さんを傷つけず、緩やかに関係を終わらせてくれると。
元カレよりも萌子さんよりも、杉ちゃんの方が幾ばくか上手。
結婚相手は、どちらかが上手じゃないと、上手くいかないと思う。
だから萌子さん、自分自身の呪縛を解いて、杉ちゃんの腕の中に飛び込んでみて。
そうじゃないと、この放送を機にできた、全国の杉ちゃんファンの女の子に、杉ちゃんをとられちゃうよ。